オレンジジュースを飲む頃


今現在、私は光瑠に対してどういう感情を抱いているのか、彷徨っていた。


「私からは何も言えん。けど、後悔はせんようにな。応援してるよ」

「ばぁや……。ごめん、ありがとう」


ばぁや、ごめんね。

今はこれだけしか言えない。

私は店を出て、自転車の籠にリュックを置いた。


「はぁ」


溜め息しか出てこない。

こんなにも後味が悪い金曜日は初めてだった。

オレンジジュースも、サイダーアイスも、何故か今日は美味しく感じられなかった。

飲む時は、食べる時は美味しく感じていたが、今はその味が思い出せない。

私は引き摺るような気持ちで、自転車を漕ぎ始め、帰路を進み始めた。





オレンジジュースを飲む頃、光瑠はいつも何を想って私の隣にいた?



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