オレンジジュースを飲む頃


中学の友達とクラスが離れて落ち込んでいたが、入学初日に仲良くなった子が何人も出来て、私は安心して3年間過ごせそうだ。

こうして、なんだかんだ言って席が近い者同士で仲良くなった。


ちなみに、マイペース優大は新村君の左隣、オタク暁人は私の左隣。

6人組が形成されたのは、こういった偶然からだった。

今思えば、奇跡に近いと思う。



「あのさ、ゆい」

「え、私?」

「お前だけだよ。ゆい。新村君じゃなくて、光瑠な。光瑠。新村君ってゆいに呼ばれるの、嫌だ」

「ひ、光瑠」

「そう。じゃ、これからもよろしくね」



ふっ。

彼の笑みにドキッとしてしまった。

光瑠とは、良き友達になれそうな気がする。


そう、あの頃は思っていた。

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