オレンジジュースを飲む頃
とある金曜日。
いつものようにみんなで昼休みご飯を食べていたら、隣に座る光瑠がポツリと私の名前を呼んだ。
「ゆいってさ、渥美商店、知ってる?」
「知ってるも何も、昔からの常連」
「今日、行かない?渥美商店」
「……え、急に、何で」
「何でって、俺今でも週1で行くからさ。あそこのばぁや、好きなんだよね」
何故渥美商店?
ばぁやの名前が出てくる?
確かに、帰り道途中まで一緒なのはお互い分かってはいたが、まさか一緒に行こうと言われるとは思わなかった。
「俺、昔から1人でいつも座っている秘密の場所があるんだけど、そこに一緒に行きたいなって」
「それで、私と……?」
「そう。帰り道一緒だし、お店知ってるんじゃないかって」