オレンジジュースを飲む頃
とっておきの秘密基地を、何故私に教えようとするのだろうか。
光瑠の考えが、私には読めなかった。
出逢ってから、ずっと思う。
クールな彼が、何を考えているのか、何を思っているのか、未だに読めないでいる自分がいる。
『光瑠ってイケメンでミステリアスな雰囲気漂うけど、何考えてるのか分からない事あるから、友達以上を考えられないんだよね』
那津花が言っていたように、周りも光瑠の読めない心に触れないでいるのを私は感じ取っていた。
私もそうなんだが。
「分かった。じゃあ、放課後。帰り道途中の寄り道って事で」
「OK。楽しみにしてる」
私と彼の秘密の放課後、ここから始まった。