オレンジジュースを飲む頃


その後、優大の家に向かう間、特に変わった事は無かった。

普通に話しかけてくるし、至っていつも通り。



ただ、明らかに変わったのは、私の彼に対する接し方に葛藤が出てきた、という事だ。

今まで通りを彼は望んでいるだろうし、かと言って〝好き〟だという言葉を私に向けて発してしまっている以上、彼の心の中を余計読む事が更に難しくなってしまった。


彼は返事を求めている以上、〝友達〟以上を求めている。

でも、いつも通りの関係性も求めている。



じゃあ、私はどうしたい?



悶々と心の中で1人悩んでいる中、あっという間に優大の家に到着してしまった。


「お2人さん待ってたよ」

「悪い、遅くなって」

「気にすんな。でも、暁人はとっくにリビングでゲームの世界に入ってる」

「暁人、ゲームではなく俺の相手をしろや」


< 41 / 67 >

この作品をシェア

pagetop