オレンジジュースを飲む頃


「おはよう」


教室に入ると、既に那津花が登校していた。

自分の席に着くと、那津花はすぐに駆け寄って来た。

すると、私の顔を覗き込むように見てきた。


「な、何」

「唯穂。何かあったでしょ。なんかオーラがどす暗いっていうかなんて言うか、うーん。何かあった!」

「……決めつけないでよ」


気丈に振る舞おうと思ったが、那津花は腑に落ちない表情だ。

やはり何かあったという事には気づいているが、それが光瑠絡みだとは気づいてないようだ。



気づいて欲しくはない。

これ以上皆には迷惑かけたくないし、自分の事だから。

自分がグズグズしていたのが原因だし。



だが、1人だけすぐ気づいていた人がいた。


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