オレンジジュースを飲む頃


だからこそ、困るのだ。

光瑠との関係を切りたくないと思わせてしまう。

……この世で一番心を掻き乱す存在。


「でも、しばらくはいいから。金曜日、行かないから」

「……何言ってんの?今週もテスト期間だけど、関係ないでしょ」

「……暫くは、あそこに行きたくない。それに、帰りも1人で帰るから。光瑠といたく……ない」


言ってしまった。

けど、これで良いと思う。

今月の定例会、私は不参加しようと思う。

いや、定例会自体もやらなくなるかもしれない。



「……そっか。ゆいがそこまで言うなら、か。俺も文化祭で忙しくなるし、絶妙なタイミングだね」


そう言った彼の表情はとても切なげで、悲しいようだった。

光瑠は立ち上がり、教室を出て行った。


……ごめんなさい。

私が壊してしまいました。


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