オレンジジュースを飲む頃
「本当に良かったのか?」
いつの間にかイヤホンを外していた暁人が、後ろからそう呟いた。
これぐらいで、私への罰は軽いものだと思うけど。
「……しょうがないよ。光瑠が私に求めているものと、私が求めているもの。それが不一致だったって事。それだけだよ」
「そういう事じゃないだろ。お前と光瑠の問題。それは友達止まりなのか、恋人になるのか。どっちかなだげだろ」
「……暁人。もう大丈夫だから。だからもう、私の事は気にしなくていいから。今月の定例会、私行かないから、よろしくね」
もう今は何も聞きたくない。
好きな音楽だけを聴ければいい。
私は再びイヤホンを着け、教科書に視線をやった。