オレンジジュースを飲む頃
「……簡潔に言うと。喧嘩した」
「それだけじゃないでしょ。何か隠してる事あるでしょ。本当の事言って。もうこれ以上今の唯穂と光瑠を見てられないから」
「那津花」
「何となく察してはいたけど、光瑠って、本当に唯穂の事友達だと思ってるのかが疑問だったからさ。まさかとは思ってたけど……。まさか、当たってる?」
「…‥当たってる。知っちゃったよ。光瑠の私に対する気持ち」
「……やっぱり」
那津花は手をおでこに当て、はぁーっと溜息をついた。
那津花も暁人と同じく、光瑠の私への感情を早い段階から気づいていたと思う。
光瑠が基本何を何を考えているのか分からないと那津花もよく言ってたから、気づいてないと思ってた。
気づいてないのは、私だけだった、って事か。
敦も優大も、なんとなく気づいてそうだし。