オレンジジュースを飲む頃


私は今まで、光瑠の何を見てきたんだろう。

私は高校に入学してから、かなりの密度で接してきたと思ってた。

毎週金曜日、2人きりの時間が楽しかった。



思い込みだったか。

オレンジジュースを飲む頃、彼はどんな想いで私の隣にいたのだろうか。

感情が分からず、それに応えられずにいる私。

虚しくなるだけだ。


「私はさ、唯穂と光瑠見てて思ったよ。不器用だなって。不器用過ぎるよ」

「……うん」

「唯穂もさ、意外と自分の気持ちに鈍感なところあるよね」

「……えっ?」

「よし、とりあえず今の私に出来る事は、2人の関係に答えが出せるように。2人が良いと思えるものになれるように。ね?」

「ありがとう。本当にありがとう」




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