ワインとチーズとバレエと教授
翌日、亮二が起きると、朝食が作られておらず、
理緒の部屋へ行ってみた。

理緒はめずらしく、まだベッドの中にいた。

「どうした?大丈夫か?」と亮二が声をかけた。


理緒は「…疲れて、ちょっと…」とか細い声で答えた。「熱はないか?」亮二が心配そうに声をかけると「最近、体がだるい感じで…疲れてるのかな…」
と、言う。最近、理緒は寝ても、疲れが取れず、足も痛いらしく、体がだるく起き上がれないようだ。

「朝食、作れなくてごめんなさい…」
「…いや、それはいいんだけど…」
亮二が理緒の熱を測ったら37℃5、微熱だ。

「きっと疲れが出たんだろう。少し休めば元に戻るさ」「…えぇ、そうね…」
理緒は力なくそう言った。

亮二は朝食を作って、理緒がいつでも食べれるように準備してから病院に出勤した。

理緒の体調はこの辺りから、どんどん、思わしくなくなっていったー

そのとき亮二は理緒に、恐ろしい前兆が表れているとは思いもしなかったー

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