ワインとチーズとバレエと教授
最初はおどおどしていた理緒も、旅行に行けるまでになっていったと言う。
さらに、理緒はもともと料理が好きで、カレーやハンバーグや肉じゃがといった家庭料理にとどまらず、フレンチやイタリアン、懐石料理も作りだし、寿司は握るし、ラーメンはスープから作る凝りようで
「これじゃあ、太るな」
と、亮二が喜びながら話していた。
さらに、亮二が、「世界の陶器」という本を渡すと、理緒は、たった一日で、有田焼や備前焼、益子焼などの陶器を覚え、ロイヤルクラウンダービーで
紅茶を入れ、大倉陶園でコーヒーを入れ、カジュアルな雰囲気ならノリタケ、女性相手なら台湾ブランドのフランツで紅茶を入れる教養も身につけていた。