ワインとチーズとバレエと教授


なら、亮二は理緒と一緒に住まない?
理緒が心配ではないのか?
いや、そんなはずはない。

あんなに飲み会で理緒の事を自慢げに、
誇らしく語っていた。

そして、理緒は、亮二に引き取られても、
心を許していた訳では、なさそうだということも分かった。

「引き取られたのだから期待に応える以外ない」

理緒はそう言った。
亮二に見捨てられまた実家に戻されるのが
嫌だったのだろう。

でも亮二がそんな軽率な行動をするとも思わない。

覚悟を持って理緒を引き取ったはずだ。

でも、理緒の中では、実家でされた恐怖が、亮二といても残り続けていたのだろう。
それを亮二が見逃したのだろうか?
誠一郎は、亮二に電話をしようと思い
思わず携帯を手にしたが、やめたー
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