ワインとチーズとバレエと教授


二回目のデートの日がやったきた。
朝の10時に到着すると、理緒のマンションの玄関に到着すると、理緒がすでに外で待っていた。

その日の理緒は、白い丈の長い、ゆるふわなワンピースにグレーのパーカーを着て、ピンクのポシェットを横にかけていた。

「わざわざありがとうございます」

「いえいえ、あなたを歩かせる
わけには行きません」

誠一郎は澄ました顔で言った。
誠一郎も動物園ということで、水色のシャツと、黒いパンツ姿だった。
理緒のマンションから動物園は車で30分程度だ。
それなら、それほど遠くないし、身体の負担も少ないと思った。物園に到着した理緒は、

「先日のお釣りです」

と、お金を渡してきた。

「わざわざお釣りを持ってきたのですか?
あなたは、律儀ですね」

「フレンチもご馳走になって、タクシーまで…」

「では、このお釣りは、入園料にしましょう」

誠一郎は受付で2枚の入園キップを購入した。

< 167 / 302 >

この作品をシェア

pagetop