ワインとチーズとバレエと教授


理緒がお財布をだそうとしたので

「今日も私に恥をかかせる気ですか?」

と、笑って断った。

理緒は「いつも、すみません…
今度、お礼をさせてください」と、頭を下げるので
「では、今度、私の家で、何か作ってください」

「…え?」

「お礼をしてくれるのでしょ?」

理緒の顔が、ぱあと明るくなった。
分かりやすい性格だ。

「先生のお部屋にお邪魔して
宜しいなら、ぜひ…」

もう次のデートの約束ができ、
さらに、誠一郎の部屋に行っていいなんて、
理緒は、飛び上がりたい気分だった。

「では、どこから見ますか?」

2回目のデートが始まった。

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