ワインとチーズとバレエと教授
理緒がうっすら目を覚ましたのは、
もう翌朝の8時だった。
シャワーの音と、ドライヤーの音が聞こえる。
理緒がゆっくり身体を起こすと、誠一郎がシャワーから出たところだった。
「あ、おはようございます、うるさかったですか?」
誠一郎は、目を覚ました理緒に気づいた。
「……お、おはようございます、いえ…私、ずいぶん眠っていたようで…」
まだボーッとしてる。
「そうですね、よく眠ってました」
理緒が目をこすりながら、もう一度誠一郎を見る。
シャワー上がりの誠一郎は、いつもと雰囲気が違い
カッコよかった。
理緒は急に照れて、うつむいた。
「朝からあなたは忙しいですね、
起きたと思ったら私を見て照れて」
誠一郎はクスクス笑っていた。