ワインとチーズとバレエと教授


誠一郎は、すぐに立ち上がり
理緒を抱きかかえた。

「どうしたんです!?
大丈夫ですか!?」

理緒が、
何かを言おうとしている。

「…水?水ですね」

やっぱり無理をさせたかと
誠一郎は思った。

高濃度のビタミン剤と
水を差し出し飲ませた。

誠一郎は、理緒を抱きかかえて
寝室に向かった。

ブラウスのボタンを
2つほど外し、
ベッドに寝かせた。

「あなたはここで
寝ててください、
疲れたのです」

誠一郎がそう言うと
理緒は小さな声で

「…やっぱり私が来ると
迷惑かけますよね…
最近、疲れやすくて…」

「それは、あなたが
食べてないからでしょ?
それにこんなに無理をして…」

「無理なんかしてません
久しぶにお料理を作って
喜んで食べてもらって…
幸せでした…」

「けど、あなたの体にとっては
ストレスです、長時間
立ったり、荷物を持ったり…」

「…わざわざ、誠一郎さんの
家まで来て、倒れるなんて…
…もう、ヤダ…
私なんか…
迷惑ばかりかけてて…
そういうのイヤで…」

「…あなた、きゅうに
どうしたんです?」

理緒の様子が変だー

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