ワインとチーズとバレエと教授
懐かしい匂いがする…
父親が微笑んでいる。
「誠一郎」
父に呼ばれたー
父の手にはビー玉のような鮮やかな色のアメ玉が3つあった。
「誠一郎、お前にやる、他の子に渡したらダメだぞ
お前は優しいから…母さんには内緒だ」
父親は微笑む
そして、誠一郎は「うん!」と言って包み紙に入ったビー玉のような鮮やかアメ玉の袋をもらった。
父親は誠一郎の髪を撫でながら
「よしよし、いい子だ」
父が微笑んだー…
「父さん…」
なぜか自分の言葉で目が覚めた。
時計を見ると朝6時だった。書斎で寝てしまったようだ。
自分はいつも、何かの夢を見ている。
いつも同じ夢を見ている気がするが、
でも、いつも何の夢を見ているのか思い出せない…
まぁ、そんなことはどうでもいい。
誠一郎は、冷蔵庫に朝食を取りに行った。
今回はブロッコリーとマカロニのパスタをレンジでチンして温め、急いで口に入れミネラルウォーターで流し込む。
そしていつも通り出勤する前に理緒がにLINEをすることを思い出した。
「おはようございます。体調はどうですか?
津川先生とはよく話し合えましたか?
私も津川先生に色々お話しさせていただきました。
私たちのことは心配しないでください。愛してます」
そう送信すると、すぐに既読になり理緒が、
「誠一郎さん、おはようございます
私も愛してます」
と返事が来た。理緒は大丈夫そうだ。
そう思うと今日の講義や外来も頑張れそうだ。
誠一郎は玄関で靴紐を結び大学病院へ出勤した。
何か不自然な気持ちを忘れながらー