ワインとチーズとバレエと教授
"誠一郎…"

父に呼ばれた気がしたー

父の手の中には、ビー玉のような紙袋に包まれたアメ玉が3つある。

"お前にやる、他の子にやったらダメだぞ、お前は優しいから子だから…母さんには内緒だ"

そしてその光景が消えたー

"誠一郎…"

今度は母の声がするー

"お願いだから電話をちょうだい"

"うるさい"

"母さんにが最初に
俺の手を振り払ったんだ!"

"誠一郎…!"

"俺が母さんの手を握ろうとしたとき、俺の手を振り払ったのはあなただ!"

"誠一郎…!"

「…母さん」

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