ワインとチーズとバレエと教授
「で、私は何でした…?」
「急性胃潰瘍でした。内視鏡で出血は止めました。これから、2週間ほど入院して頂きます。
しばらく絶食です。治療としましては、胃液中への酸の分泌を抑えるH2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬、また胃粘膜を酸から守る胃粘膜防御因子増強薬を使用する予定です、宜しいですか?
では、病室に戻り同意書にサインを。スキルスじゃなくて良かったですね」
「なんだ、その程度か…」
「その程度じゃありませんよ、吐血の量が多くて、ショック状態でしたよ。しばらくは安静にしててください」
「安静って…講義は?外来は?病室から通うので大丈夫です」
「ダメです、キチンと入院してください。理緒さんが心配してますよ?」
誠一郎は理緒の顔を見た。不安に押しつぶされそうな顔だった。
誠一郎は渋々、入院を承諾した。
病名は急性胃潰瘍だったー