ワインとチーズとバレエと教授
理緒はまさか、誠一郎との出会いが、自分の人生をこんなに変えると思わなかった。
2021年5月に初めて誠一郎にあったとき、その印象はとても冷たいく、冷淡な人というイメージだった。隙がなく、淡々として、表情は動かないー
それは自分も同じだったはずだ。
その時に理緒は誠一郎のことが、もうすでに好きだった。
誠一郎が、何か心の闇を抱えていることは、初診で理緒は気づいた。そんな、雰囲気が誠一郎から出ていたのだ。あの日、左手の甲を無意識に掻いた誠一郎を見てそれを確信した。
これだと、どちらが医者かわからない。でもなぜか誠一郎を見た瞬間、"助けたい"と理緒は思った。
誠一郎がとても孤独に見えた。でも、誰にもそれを伝えていないように感じた。
自分と同じだー
理緒は、そう感じた。そして理緒は、誠一郎に助けられ、今度は自分が誠一郎を助け、今、ようやく、穏やかな時間を過ごしている。最後のデザートが運ばれてきたとき、スタッフの方に
「お誕生日おめでとうございます」
とデコレーションされたデザートプレートが運ばれて来た。
「わざわざ、用意してくれたのですか?ありがとうございます!」
理緒は目を輝かせた。今までで生まれて初めてこんなに誕生日が幸せと感じたことはない。
28年間生きてきて、愛する人と過ごした誕生日なんてない。スタッフが立ち去ったあと理緒は
「私は12月が大嫌いでした…」
と、ポツンと言った。誠一郎はデザートを食べる手を止めた。
2021年5月に初めて誠一郎にあったとき、その印象はとても冷たいく、冷淡な人というイメージだった。隙がなく、淡々として、表情は動かないー
それは自分も同じだったはずだ。
その時に理緒は誠一郎のことが、もうすでに好きだった。
誠一郎が、何か心の闇を抱えていることは、初診で理緒は気づいた。そんな、雰囲気が誠一郎から出ていたのだ。あの日、左手の甲を無意識に掻いた誠一郎を見てそれを確信した。
これだと、どちらが医者かわからない。でもなぜか誠一郎を見た瞬間、"助けたい"と理緒は思った。
誠一郎がとても孤独に見えた。でも、誰にもそれを伝えていないように感じた。
自分と同じだー
理緒は、そう感じた。そして理緒は、誠一郎に助けられ、今度は自分が誠一郎を助け、今、ようやく、穏やかな時間を過ごしている。最後のデザートが運ばれてきたとき、スタッフの方に
「お誕生日おめでとうございます」
とデコレーションされたデザートプレートが運ばれて来た。
「わざわざ、用意してくれたのですか?ありがとうございます!」
理緒は目を輝かせた。今までで生まれて初めてこんなに誕生日が幸せと感じたことはない。
28年間生きてきて、愛する人と過ごした誕生日なんてない。スタッフが立ち去ったあと理緒は
「私は12月が大嫌いでした…」
と、ポツンと言った。誠一郎はデザートを食べる手を止めた。