ワインとチーズとバレエと教授
クリスマスは、理緒は誠一郎にネクタイをプレゼントし誠一郎は理緒にネックレスをプレゼントした。

2人とも示し合わせていたわけではないが、誠一郎のマンションで二人同時に「あの…」と、プレゼントを渡そうとして、2人で吹き出した。

クリスマスの夜は、理緒がケーキを作りローストビーフを焼き、カルパッチョやチーズやワインを用意していた。

誠一郎は

「この年になって、誰かと一緒にクリスマスを
過ごすなんて、思ってもみませんでした」

そう言って、理緒が注いだ赤ワインを口に運んだ。

「私だって同じですよ」

ワインを飲みながら理緒もチーズを一口食べた。

「あなたワインが好きなのですか?」

誠一郎は聞くと

「実は、なんとなく…バレエをやり始めたとき、ワインを飲みながらチーズを食べて 白鳥の湖のDVDを見ていました。今は誠一郎さんと一緒に美味しいワインとチーズを食べれて幸せです。サンタさんからのプレゼントは誠一郎さんですね」
と、理緒は微笑んだ。

< 294 / 302 >

この作品をシェア

pagetop