ワインとチーズとバレエと教授


高杉が簡単に
理緒を平手打ちする。

そして怒鳴る
叩く、
殴る、

それでも理緒は喰らいつく。

へとへとになっても高杉は

「座るな!止まるな!
心臓と音楽が鳴り続けてる限り
動き続けろ!休むな!」

と理緒を怒鳴った。

こんなすごい
スパルタレッスンを
受けていたのか…

これじゃ虐待に近い。
本当に理緒は、これを2年間
堪えていたのだろうかー?

それともバレエというのは
こういう世界なのか?

自分はサッカーをやっていたが
もちろん厳しく指導された。
でも、ここまでじゃない。

これじゃあ、まりにも
理緒が気の毒に思えた。

でも理緒が好きで
行っているなら
信用できる教師なのだろう。

亮二は、妖精のように
美しくトウシューズで
踊っている理緒を想像していたが
現実は全く別のものだったー

亮二は、その光景に、
ショックを受けた。

そして理緒はいつも、
何事もなく家に帰って

料理を作っていたかと思うと
胸が痛んだ。

亮二は二年間もの間、
理緒の本当の顔を
何も知らなかったかのように思えたー

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