悩める転生令嬢は、一途な婚約者にもう一度恋をする ~王族男子は、初恋の人を逃がさない~
 ジークベルトに持たせていた本の半分ぐらいを自分で持ち直し、読書スペースへ向かう。
 書庫はちょっと暗くてひんやりしていたけれど、こちらは明るく暖かい。
 しっかりと電気がついているのだ。

 私がアイナとして誕生したこの世界は、それなりに発展していた。
 日本にあったものすべてが存在するわけではないけれど、電気や水道は通っている。
 電球も存在しており、貴族の家には普及していた。
 だから私たちが明かりに困ることはない。
 それでも、不便さを全く感じないと言えば嘘になる。
 前世では普通にスマートフォンを使っていた身だから、なんであれやそれがないんだ……と感じることもあったり。
 それでも、慣れてしまえばなんとかなるレベルでよかったと思う。
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