悩める転生令嬢は、一途な婚約者にもう一度恋をする ~王族男子は、初恋の人を逃がさない~
「関連を考えたらこの2冊で、違う分野のものにしたいならこれとこれ……。1枠は小説にしたいけど、これをやめればあとの3冊全部いける……。でも、物語も好きだし……」
「そろそろ決めて帰らないと、またご家族を心配させてしまうよ」
「も、もうちょっとだけ悩ませて……!」
「じゃあ僕が決めよう。……この3冊」
ジークベルトは、近くの本から順番に指さしていく。
その3冊には小説も含まれていた。
「……理由は?」
隣に立つジークベルトの顔を見る。
私の視線を受け、彼は、
「僕の近くにあったから」
と微笑んだ。
「それじゃあアイナ、またおいで」
「うん。また来るね」
ジークベルトに見送られ、彼が選んだ本を持って馬車に乗り込む。
かなり雑な理由でこの3冊に決まったけれど、特に不満はない。
馬車が動き出してからも、やっぱりあっちにすればよかったとは思わなかった。
私だけで考えていたらしばらく決まらなかっただろうし、読みたい気持ちがあるのなら、次の機会に借りればいいのだ。
「気軽に出入りさせてくれてありがとう、ジーク……」
思わずこぼれた、婚約者への感謝の言葉。
既に動き出した馬車の中でのことだったから、当然、ジークベルトには届いていない。
「そろそろ決めて帰らないと、またご家族を心配させてしまうよ」
「も、もうちょっとだけ悩ませて……!」
「じゃあ僕が決めよう。……この3冊」
ジークベルトは、近くの本から順番に指さしていく。
その3冊には小説も含まれていた。
「……理由は?」
隣に立つジークベルトの顔を見る。
私の視線を受け、彼は、
「僕の近くにあったから」
と微笑んだ。
「それじゃあアイナ、またおいで」
「うん。また来るね」
ジークベルトに見送られ、彼が選んだ本を持って馬車に乗り込む。
かなり雑な理由でこの3冊に決まったけれど、特に不満はない。
馬車が動き出してからも、やっぱりあっちにすればよかったとは思わなかった。
私だけで考えていたらしばらく決まらなかっただろうし、読みたい気持ちがあるのなら、次の機会に借りればいいのだ。
「気軽に出入りさせてくれてありがとう、ジーク……」
思わずこぼれた、婚約者への感謝の言葉。
既に動き出した馬車の中でのことだったから、当然、ジークベルトには届いていない。