悩める転生令嬢は、一途な婚約者にもう一度恋をする ~王族男子は、初恋の人を逃がさない~
 僕のことはあまり気にしなくていい。
 それより、彼女が見ている世界を共有したい。
 そうやって話を進め、出来上がったコップを見ることにした。

 自分で箱を開け、アイナがコップを取り出す。
 どう見ても素人が作ったものだけど、アイナの手作りというだけでとても価値のあるものに思えてくる。
 僕ももっとよく見たくて、隣に座る彼女に身体を寄せた。
 ……接近したらちょっと意識してくれるかな、なんて下心もあったことは否定できない。
 ちなみに、アイナが顔を赤くすることはなかった。



 色は青、水色、黄色の3色を入れたようだ。
 青と水色は自分の瞳、黄色は金髪をイメージしたのかもしれない。
 いいな、これ。アイナ作のアイナカラーのコップとか、僕も欲しい……。
 そう思っていたところに、すごい台詞が投下された。

「本当は黒か茶色も欲しかったのですが、水色や黄色とは合わせにくくて」
「黒か茶色?」
「ええ。黒は紺に近い青で代用できても、茶色はなかなか……」

 黒……? 茶色……?
 それは僕の瞳と髪の色だ。
 本当は水色、黄色、黒、茶色の4色にしたかったって……それは……。つまり、僕ら二人の色を一緒にしたかったと……。

「ジークベルト様?」

 あまりのことに頭を抱えるしかない。
 少しは意識されてるって思っていいのかな。
< 35 / 42 >

この作品をシェア

pagetop