軽率に恋 シリーズ1
「蓮斗くんは優しいね。昔から…」
「そんなことないよ、全然優しくない」
自信なさげに小さくなっていく声。
俯いた顔からは、助けてくれた時の威圧さを全く感じない、弱々しい蓮斗くんになっていた。
「優衣ちゃんのこと、傷つけてばっかりだし」
「今助けてもらったところだよ?嬉しかったし」
「あんなの優しいなんて言わない。ただ俺が嫉妬しただけだし」
聞き間違いだろうか。
今、嫉妬したと聞こえた気がする。