軽率に恋 シリーズ1
「同じ気持ちでいてくれてるなら…。俺ん家来る?」
「え?そこは、手握ってくれるとかハグしてくれるとかじゃないの?家は積極的すぎ」
「そういうの分かんないから(笑)」
「じゃあ…、手繋ぎたい」
差し伸べた手を取られると、体の芯から何かが込み上げてきて、複雑な感情が湧いてきた。
期待が確信に変わって、ふわふわする。
「俺ん家でコーヒー飲む?酔い覚めに」
「いやいや。この状況、酔い覚めないほうがおかしいから。でもコーヒーは飲みたいかな」
夜道を二人、浮かれた気分で歩いた。
繋いだ手も繋がった心も、離れないようにと願いながら。