軽率に恋 シリーズ1


そんな叶わないであろう作戦を考えながらトイレを出ると、一つ手前の男性トイレから懐かしい顔が現れた。




「蓮斗くん…」

「優衣ちゃんじゃん!久しぶり!」




大学生の時から変わらない、少年みたいな笑顔。
笑うと右頬にだけ、控えめな笑窪ができるんだよね。




「顔色悪くない?大丈夫?」




会社の上司たちはお酒も入ってるし盛り上がってるしで、私の体調不良に誰も気づかなかった。
というより、そういうのは興味がないと言った方が正しい。


それなのに、久しぶりに会った蓮斗くんは、すぐに私の異変に気づいてくれた。



< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop