軽率に恋 シリーズ1
席へ戻ろうと蓮斗くんから離れかけた時、私の名前を呼ぶ声が小さく聞こえたけど、
聞こえないふりをして振り返らなかった。
両想いだと思ってた。
お互いに意識しているのも分かってた。
でも蓮斗くんは何も言ってくれなかった。
それどころか、告白を断ったんだから。
「ごめん。優衣ちゃんのこと、そういうふうには見れない」
結構心に刺さったし、何年間も引きずった。
何なら今も引きずってる。
勘違いで、もう傷つきたくないから。
蓮斗くんには、もう期待しない。