ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
教室に入ると、俺に気づいたB組の拓真と勇司が声をかけてきた。
「よっ、凛大! お前なんか眠そうだな」
「うっわ、水泳大会で優勝した二宮サンすか? 俺大ファンなんです、握手してください」
いつも通り爽やかな調子の拓真と、ダルいノリをしてニヤニヤしている勇司。
二人とも、俺と同じ競泳部の仲間兼ダチだ。
「うるせーよ勇司。あれ、タク、今日髪の毛セットしてんの?」
「あ、気づいた? 大会も終わったし、ちょっとくらい良いかなって」
「うん、マジ似合ってる! かっけえ!」
「ははっ、照れること言うなってー」
拓真は目を伏せて笑った。
チャイムが鳴るまでの間、俺たち三人は次のテストのことや大会の結果のこと、それとタクの彼女の話なんかで盛り上がった。
七時間目は、A組とB組合同の総合だった。
名目は来月行われる林間学校の最終的なグループ分け。
前の総合の時間にクラス内で作った四人グループと、B組の四人グループが合わさって一つの班になるらしい。
「ねえゆいー。これって俺らが好きに決めていいの?」
斜め前の席に座るゆいに話しかけた。
ゆいは首を少しだけ動かして、俺を見た。
曇りない綺麗な瞳に見つめられて、思わずドキッと胸が高鳴る。