ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
「なんていうか、雨宮さんって独特な感想を言うんだね」
こじつけのような返事に私はまた小さく吹き出して、確認のためにあることを訊いた。
「……ふふっ、それじゃあ、とりあえず私のストーカーではない?」
「へ、……っ?」
鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をした彼。
その後なんとか私の言葉を呑み込んだようで、「す、ストーカー? え、俺って雨宮さんにそんな風に思われてたの?」と自問自答を繰り返している。
私の質問がよほど効いたみたい。
「犬飼くん。あなたが私の名字を知っているのは、同じ高校の生徒だから、という理由で間違いない?」
「う、うん。まあ、そう……他にもあるっちゃあるけど」
最後にぼそっと何かを呟いたけれど、あまりにもその声が小さすぎて聞こえなかった。訊き返すのも面倒で、私はとりあえず安堵した。
「犬飼くん、親御さんが心配していると思うから早く帰ってあげてね」
表面上は優しい人間のように思われるかもしれないけど、心の中で思っていることは少し違う。
人との関わりを極力避けたい私は、彼に早く帰ってほしいと、そんな追い返すような気持ちを抱いている。
「あー、そうだよね……。ん〜」
「何?」
微妙な表情をする彼を問いただす。