ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
今更弁明しても遅いと分かっているけれど、言わずにはいられなかった。
「ゆい、それ絶対嘘でしょ。でも、俺本当にしなくちゃいけないことがあるから行くね」
犬飼くんは申し訳なさそうにそう言って、棚の上に置いてあったお昼ご飯を手に私の寝室から出て行った。
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【瑛人side】
ゆい、大丈夫かな。
俺が離れてる間にまた体調が悪くなったりしないかな……。
ゆいのことを心配に思いながら、俺はおかゆを作り始める。
さっき寝室に持って行った昼ご飯は今のゆいの喉には通らないだろうと思ったのだ。
「……ゆい? おかゆ作ったんだけど、食べれそう?」
お盆の上に乗せたおかゆを持って寝室に行き、ベッドで横になっていたゆいにそっと声をかける。
「……! うん、食べれる」
一瞬驚いた目で俺を見たゆいはすぐに頷いた。
そのまま自力で起き上がろうとするものだから、俺は慌ててすぐ側にあった棚の上にお盆を置き、ゆいのことを支えた。
「ありがとう……」
ゆいは少し気まずそうに顔を伏せてそう言った。
俺はそこで初めてゆいに易々と触れたことを自覚した。
「……っ、う、うん」
顔が赤くなるのを感じて、ゆいと同様俺も顔を俯ける。
このまま微妙な空気が流れるのは耐えられないと思った俺は、ゆいにおかゆを差し出した。