ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


いかにも嫌な感じの人だ。

それに私、この人のこと見たことある。


犬飼くんを殴っていた連中の中にいた人だ。


「……ゆい、俺の後ろにいて」


私を守ろうとしてくれたのか、犬飼くんが私を後ろに行かせようとする。

だけど私は犬飼くんの言葉には従わなかった。


犬飼くんの前に出て、私はある人に向かって叫んだ。


「そこの銀髪野郎!!」


その人の視線がゆっくりと私に向けられて少し怯んでしまうけど、私は迷わぬ足取りでその人に近づいた。


「銀髪野郎って、俺?」

「そうだよ! あんた、いい加減にしなさい」


犬飼くんに何度も何度も酷いことをした主犯を前にして、私はこれまで抑えていた感情を爆発させた。


「……あ?」


鋭い視線が私に向けられる。

取り巻きたちが私に飛びかかってこようとするけれど、銀髪野郎がそれを制した。


「お前、何?」


短く問われて、私は声高々に自己紹介をする。


「私は、昔あなたたちのグループの総長だった雨宮(しゅん)の妹です!」


私の言葉に、そこにいた白龍のメンバー全員が目を見開く。

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