ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
𝑬𝒑𝒊𝒍𝒐𝒈𝒖𝒆
「犬飼くん、朝だよ。起きて」
隣で寝ていた犬飼くんの耳元でそう囁く。
犬飼くんはんん、と唸った後、ゆっくりと目を開けた。
「おはよう、犬飼くん」
「ん、おはよ。ゆい」
今日は付き合い初めて一年が経つ大事な日。
この一年で大好きな人のことをたくさん知ることができた。
犬飼くんの家庭環境が複雑なことや、お兄さんのことも。
私たちはあれから、平穏で幸せな毎日を送っている。
「今日の朝ご飯、何食べたい?」
「それよりももっとゆいと寝てたい」
私の腕を掴み、ベッドの中へ引き戻した犬飼くん。
男の子の力には敵わなくて、私はまた布団の中に。
「もう、だらしがないんだから!」
「今日休みなんだからゆっくりしようよ〜」
私たちはそうやって他愛ない日々を共に過ごしていく───。
【Fin.】