ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
『悩む必要ねぇだろ、早くその倒れている男の子を助けろ』
と、私の脳に呼びかける優しいけれど口の悪い天使ちゃんと。
『は? そんな意味分かんねぇ見知らぬ奴なんか助けずに早く家に帰ろうぜ。雨降ってジメジメしてて、ほんと気持ち悪りぃんだわ』
と、これまたすんごい口の聞き方で酷いことを言う悪魔くん。
さぁ、どちらの意見を汲み取ってあげようか。
まあどっちにしろ私の脳内で生み出された二人に相違ないんだけどね。
相変わらず私の脳内の子たちは口が悪い。
「えー……ほんと、どうしよ」
やっぱりここは助けてあげるべきなんだよね?
「君ー、意識ありますかー? ないならないって言ってくださーい」
ガチの声音で、平然と無理難題を押し付ける自分。
かなりの鬼だと自覚しているけれど、こんな雨の日ならしょうがない。イライラしてるんだ。