ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
──だけど、今日はちょっと違うみたいだ。
「遅い!! 一体何時間かかってるの、俺待ちくたびれた!」
少し休もうと髪を乾かそうとリビングに戻った途端、犬飼くんが飛びついてきてそんな説教めいたことを言った。
「え~、そう言われても」
私は適当あしらってドライヤーをローテーブルの上に置く。ふわふわの絨毯の上にドカッと腰を下ろして一息ついた。
「ふう」
「っもう、雨宮さん、俺に全然かまってくれないじゃん」
ぶつくさ文句を言いながら私のすぐ隣に座った犬飼くん。
……近い。
斜め上に視線を上げると、綺麗な唇をとがらせた犬飼くんと目が合った。
「……犬飼くん、白似合うね」
私は思ったことを率直に言った。