ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
起きたくないなあ……。叶うことなら、ずっと眠っていたいよ。そうしたら、苦しむこともないのかもしれない。
弱気になって、逃げようとしていた私の肩を誰かが揺さぶっている。
「雨宮さん! 起きて、もう朝だから。学校遅れちゃうよ!」
〝学校〟というワードにぼんやりとしていた意識が急に呼び起こされた。
「……今、何時なの」
寝起きのかすれ声でそれだけを聞く。
「もう八時!」
次の瞬間、私はぱちっと目を開けた。
「え、終わったじゃん……」
深くかぶっていた布団を乱雑にどかしてベッドの上で大の字に項垂れる。
「いやいや、そこで諦めないで!?」
んー、なんか朝からうるさい人だな……。
「私もう無理かも……、つらい」