ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
「何いたの!?」
「いたよ。もー、ゆいったらほんと他人行儀だよね〜。私にも心開いてないんじゃない?」
半分冗談、半分本気という声音で痛いところを突かれる。
「そんなことない……」
「とは言い切れないよね?」
鈍そうに見えるけれど、実は意外と鋭い杏月に返す言葉もない。
「今日はやけに攻撃的ですね杏月チャン……」
私はとほほと弱った笑いをこぼす。全く、この私も彼女にだけは敵わない。
「で、ゆい。今さっきゆいとあの犬飼くんが一緒に登校してくるのを見たって子がいるんだけど。そのことについてはどう説明するのかな?」
私にぐいっと顔を近づけた杏月。仰け反る私。
それにしても、情報回るの早すぎじゃない?
「な、なんでそれを杏月が知って、」
「愛紗が私に教えてくれたもん! ねっ、愛紗!」