ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
学校が終わって、ようやく解放されたと思ったある日の放課後。
今日もどんよりとした雨雲が世界を一面に覆っている。
もちろん気分は最悪。それに、わざわざこんな面倒事に首を突っ込みたくもない。
「んん゙っ。……さむ」
突然男の子の唸り声が聞こえてきて、肩がビクリと震える。びっくりした……。
男の子は眉間に皺を寄せてうっすらと目を開け、目の前でしゃがみ込む私に視線を寄越した。
長い前髪で隠れていた顔が露わになって、私は思わず目を見開いた。
「うわ、きれー」
「……」
水晶玉のような目をした男の子が私を見た瞬間そんな言葉を口にした。突然の感想になんて返せばいいか分からない私は無言を突き通す。