ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


これらの話を聞いた私の感想としては、「あー、モテ男子ってのは犬飼くんの自画自賛じゃなかったんだ」だ。


「ゆいー、今日弁当?」

「ううん」

「じゃあ一緒に食堂行こっ!」


杏月に腕を組まれ、華奢な体からは考えられないくらい強い力で引かれた。


これはいつものことなので慣れている。


私たち高二の教室から食堂は階段を下りるだけ。


すぐに食堂が見えて、食券を買いに行こうとする途中、食堂前の廊下で人が群がっていて食券機までの道が塞がれていた。


「なんだろう?」


隣の杏月が不思議そうに言う。


「あっ!!」


今度は急に大きな声を上げたからビクッと肩が震えてしまう。


「な、何っ。どうしたの?」


杏月が指差す方を辿っていくと、そこには。


「うげ、……」

「はわわぁ♡」


正反対の声を出した私と杏月。

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