ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


少し懐かしい感じがするのは、昨日の犬飼くんとの一件があったからだと思う。


「んん〜おいしい!」


向かいの席で杏月がほっぺたを抑えてカツ丼を頬張っている。


私のチキン南蛮を男らしいと言った杏月だけど、それならばカツ丼を食べる杏月はおじさんくさいじゃない。


しょうもないことを思う私。

大好物のチキン南蛮を平げ、ようやくイライラが収まった。


昼食を食べ終えた私たちは教室に戻ってきた。


一息つこうと自分の席に腰を下ろすと、目があるものに留まった。


何だろうと思い机からその紙切れを取り出して、開けてみると。


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   西校舎・理科準備室で待ってる
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            犬飼瑛人
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とだけ端正な文字で書かれていた。

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