ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


そう言われて、私は身構えた。


「な、何」


「昨日のこと、誰にも言わないでほしい」


し、しまった。


それを聞いた後で私は冷や汗を垂らした。


「雨宮さん? どうしたの、まさか……」


一向に返事をせず目を逸らし続ける私を訝しげに見つめる犬飼くん。

私は慌てて返事をした。


「わ、分かった! 誰にも言わない。てか言うつもり端からないし」


既に杏月に打ち明けてしまった手前、目を合わせづらくてそっぽを向いた。


「本当に? 冷や汗流れてるけど。信じられない」


ああもう、うっさいな。

あなたが泊めてほしいって懇願するから泊めてやったのに、どうして私が不利な立場にいるわけ。


「信じて! もういい? 私犬飼くんが思ってるほど暇じゃないんだよ」

「待って」


犬飼くんは扉に向けて歩き出そうとした私の手首を掴んで、自分に向き直させた。

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