ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
そんな自慢の幼なじみが、大会が終わり長い遠征から帰ってきたということだ。
「おう!ゆいに褒められるなんて、やっぱ練習頑張った甲斐あるな〜」
「またそんなこと言って!凛大って奴はもう…おちゃらけちゃってるんだから」
再び席に座っている私に後ろから腕を回し、立った状態で抱きついてくる凛大を引き剥がしながらそんな辛口を言う。
「も〜、ゆいぃ。そんな怒んなよー、実際俺が本気になれるのはゆいありきのことしかないんだからさー」
バックハグに満足したらしい凛大は、今度こそ抱きついてくることはなく、まんざらでもなさそうな顔でそんなことを言いながら、頭の後ろで腕を組んだ。
………。うん、うん。
今まで何を気にすることもなく、…いや、気にしていない“フリ”をしながら普通に凛大と話していたのだけど、もう耐えられそうにない。というか、この状況が本当にシュールすぎて仕方ない。
「あの……、皆さん。なぜさっきから黙ってこちらを見ているのデスカ」