ワケありモテ男子をかくまうことになりました。


「…も〜、なんでそんなこと言うのー。俺の気持ち分かってて言うなんて、意地悪ぃ……!」



 私が廊下にいる大勢の女の子たちに向けて言った言葉に、すかさず文句を言ってくる男が一人。それ以外のみんなは、なぜかビックリしたような驚いた顔をしている。


 な、なんか……何ていうか、私が想像していた反応となんか違うような?


 きっと女の子たちにとって(私を除く)王子様のような存在であろう凛大が幼なじみごときの私なんかを好きって言っている状況は凄く面白くないと思うんだけど……。


 だから私は凛大に対して、そういう気持ちが一切ないから安心して、と伝えたつもりだけど、みんなの表情が期待を裏切られたような、残念そうな、そんな色が浮かんでいるのはなぜ……?


 頭に疑問符が大量に浮かび上がったその時。


 一人の女の子の「そんなぁ……っ!」という涙混じりの声が聞こえてきた。


 その声に続いて、女の子たちの期待を裏切られた時のような残念そうな声や悲しげな声が次々に上がっていく。


 え、ええぇ……っ??


 あ、あの、全く状況を理解できていないのですが!!



「り、凛大……?私、凛大ファンに恨まれてたんじゃ……??」

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