ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
幼なじみという立ち位置だけで凛大と話したり、凛大の私への距離感がバグっていることに対して凛大ファンたちは不満を抱いていると思って色々気にしてたのに……。
「あ、雨宮様……!凛大くんとお付き合いしていなかったのですか!?」
凛大の返事を聞く前に、一人の女の子が胸のあたりで両手を握って、勢い任せのような声でそう言った。
ん?
“様”……??
私の名字の後ろに、なにか不要な言葉があるのですがそれは一体……。
というかあの……、なんか私と女の子たちの間に流れる空気がそこまで重くないのはどういうことです?
「は、はい……そうですね」
「そ、そうなんですね……っ。これから付き合う予定とかではなくて…っ??」
「そうですね。ね、凛大」
私の横で何とも強烈な不機嫌オーラを放ち続けていた凛大の脇腹を軽く小突く。
「ううん、違う!」
「ちょ…っ、」
「ゆいは違くても俺はゆいと付き合いたいって思ってる!だって、こんなに大好きなんだから!」