ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
凛々しい眉毛が下に下がり、くしゃっとなる笑い顔。
初めて彼の顔を見た時は、整いすぎたその容姿から凄くクールな感じの人なのかと思った。
だけどそれは違うみたいだ。笑った顔はすごく人懐っこくて、何より彼は喧嘩とは無縁のような人だ。
……この傷は、一体何が原因でできたのだろう。
訊いてみようかと思ったけど、さすがに踏み込みすぎかと思い直してやめた。
「雨宮さんは優しいね。それに、超絶美人!」
本気で褒めてるのか、からかってるのか分からない満面の笑みでそんなことを言われて、私は反応に困る。
「……、とにかく早く手当てするよ。こっち来て」
話を逸らして、子犬くんをリビングに連れて行く。棚から救急箱を取り出して、子犬くんにソファに座るよう促す。
「少し沁みると思うけど、我慢してね」
一応前置きしてから消毒液をつけたガーゼで子犬くんの傷口に優しく触れた。