君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜
「しっかし、かわいい子だよなぁ。付き合っていることも教えてくれないどころか、籍を入れた後も紹介してくれないところを見ると、そうとう個性的な容姿をした子なのかと思っていたけれど」
「別にいちいち報告する義務はないだろ」
「だよなぁ」
おまえらしいねぇ、とでも言いたげにうなずいて凌はウィスキーをあおる。
結婚報告は葉書でしたが、こいつには面倒だったのでメールだけで済ませたのが裏目に出た。
「どんな子だ、画像を寄こせ」とうるさく返信してきたので無視していたが、しまいには「不倫の果ての略奪婚だから言うのが憚れるのか」と妙な妄想を膨らませ始めたので、仕方なく美良に了承を得て二人で撮った画像を送った。
「画像の美良ちゃん、かわいかったなぁ。初々しい若奥様って感じで。まったく、おまえがああいう子が好みだったとは。どおりで俺が紹介した女は気に入らないわけだ」
「……」
「どうなんだ、新婚生活は。さぞかしラブラブなんだろう?」
と小突いてくる肘から逃げると、俺は溜息をついた。
「別にいちいち報告する義務はないだろ」
「だよなぁ」
おまえらしいねぇ、とでも言いたげにうなずいて凌はウィスキーをあおる。
結婚報告は葉書でしたが、こいつには面倒だったのでメールだけで済ませたのが裏目に出た。
「どんな子だ、画像を寄こせ」とうるさく返信してきたので無視していたが、しまいには「不倫の果ての略奪婚だから言うのが憚れるのか」と妙な妄想を膨らませ始めたので、仕方なく美良に了承を得て二人で撮った画像を送った。
「画像の美良ちゃん、かわいかったなぁ。初々しい若奥様って感じで。まったく、おまえがああいう子が好みだったとは。どおりで俺が紹介した女は気に入らないわけだ」
「……」
「どうなんだ、新婚生活は。さぞかしラブラブなんだろう?」
と小突いてくる肘から逃げると、俺は溜息をついた。