君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

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 いつも以上に、眩しい朝日。

 高層マンションの部屋に差し込む日差しは強い。
 特に今朝は一段と眩しく感じるのは、普段はカーテンをしている窓が剥き出しだったせいだ。

 昨晩は、酔い潰れて聡一朗さんに部屋に運んでもらって。

 煌びやかな夜景に囲まれながら聡一朗さんと――

 たしかめるように、そばで眠る人の素肌のままの胸に頬をあてた。

 温かい。
 鼓動が聞こえる。

 甘い幸せが胸を満たして吐息をもらした。

 二日酔いの鈍い頭痛も吐き気も、気にならなかった。
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