君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜
※
暗い部屋の中、スマホ画面だけが灯っていた。
椅子すら置いていない部屋の床に座り込んで、私は茫然とそれを見つめていた。
あたりに置いてある文具や雑貨の箱から考えると、ここは倉庫らしかった。
まんまと紗英子さんに騙されて、閉じ込められてしまったのだ。
窓もない。
扉の前で大声を出しても、埒が明かない。
幸いスマホの電波が生きていたので、鍵を開けてもらおうと大学事務に電話してみた。
けれども、ここがなんという倉庫なのかが分からなかった。
職員の人はすぐに動いてくれたから、ここから出られるのは間違いないだろうけど、この広い大学内の倉庫をしらみつぶしにあたるとなると、時間はかかる。
授賞式には、当然間に合わない。
暗い部屋の中、スマホ画面だけが灯っていた。
椅子すら置いていない部屋の床に座り込んで、私は茫然とそれを見つめていた。
あたりに置いてある文具や雑貨の箱から考えると、ここは倉庫らしかった。
まんまと紗英子さんに騙されて、閉じ込められてしまったのだ。
窓もない。
扉の前で大声を出しても、埒が明かない。
幸いスマホの電波が生きていたので、鍵を開けてもらおうと大学事務に電話してみた。
けれども、ここがなんという倉庫なのかが分からなかった。
職員の人はすぐに動いてくれたから、ここから出られるのは間違いないだろうけど、この広い大学内の倉庫をしらみつぶしにあたるとなると、時間はかかる。
授賞式には、当然間に合わない。